新薬として最初に売り出される「先発医薬品」の特許期間終了後に発売される「後発医薬品」のことを言います。「先発医薬品」には原則20年の特許期間が設けられ、その期間中は、開発メーカーが独占的に製造販売できます。しかし期間終了後は、他のメーカーも同じ有効成分、用法、効能・効果の医薬品を製造販売できるようになります。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分、用法、効能・効果が同等であると厚生労働省が認めた医薬品ですので品質的には違いがありませんが、成分的には同じであっても添加剤(安定化剤等)の種類や量が違う場合があるため、微妙にきき具合が異なることもあります。少しでも不安なことがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。
先発医薬品の開発には10〜15年、費用にして数百億円もかかると言われています。一方、先発医薬品と同じ成分のジェネリック医薬品の場合、開発・研究にかかる年数は3年程度となり、研究開発費用も大幅に少なくなります。そのために価格を低く抑えることができます。
日本は、欧米に比較するとまだ普及率は低いと言えます。欧米のいくつかの国はジェネリック医薬品の生産数が全体の50%を超すのに対して、日本では16%程度です(2003年データによる)。アメリカでは、薬剤師が患者の同意の上でジェネリック医薬品に切り替えることが可能でジェネリック医薬品での調剤を推進しています。イギリスでは、医師は処方せんに薬の商品名ではなく一般名を記載し、薬剤師が同じ成分の薬から選択して調剤しています。一方、日本では、医師が処方せんにジェネリック医薬品の名称を記載するか「後発医薬品への変更可」というチェック欄にサインすることが必要です。
先発医薬品は、特許期間終了までに利用され有効性や安全性が確認されています。その先発医薬品と同じ有効成分、用法、効能・効果として厚生労働省が認定しており、製造販売についても新薬同様の品質や安全性に関する規定があります。また、1997年2月からは既に市場に出回っているジェネリック医薬品についての「品質再評価」を実施しており、より安全性の確保に努めています。これは、数種類の溶液について、先発医薬品とジェネリック医薬品の主成分の溶け方を比較するもので、第三者がいつでも評価し結果を公表できます。